歯科技工士の問題

義歯や差し歯を作る歯科技工士。歯科医療の現場で重要な役割を担う隠れた存在です。しかし隠れた存在だからこその問題を抱えている職業でもあります。
歯科医院で治療を受ける人のほとんどは歯科技工士の存在を意識していないでしょう。この認知度の低さが歯科技工士の環境に大きな影響をもたらしています。
待遇面の悪さ、とくに収入の低さが指摘されるようになっており、離職率の高さが大きな問題となっています。歯科技工士の離職率は80%近くにまで上っているというデータもあります。待遇面が悪く、長い期間勤められるような雇用環境を見つけることができないという問題がそこには見られます。

歯科医院は過剰気味と言われており、厳しい競争にさらされています。その結果自由診療の価格の安さをセールスポイントに掲げる歯科医院も増えています。価格を安く抑えるためにはコスト削減が欠かせません。そんな時、真っ先にしわ寄せがくるのが歯科技工士とも言われています。その結果、技術力が未熟な歯科技工士が雇われることになり、治療そのものの質が低下してしまう恐れもあります。歯科技工士の待遇悪化は患者にも大きな影響をもたらしているのです。
現在の歯科技工士を巡る環境は歯科技工士を目指す人そのものを低下させています。資格をとっても生活できないのなら目指す人も少なくなるのは当然のことでしょう。専門学校では定員割れが相次いでおり、応募総数に対して実際の応募はわずか6割程度とも言われています。
この問題を解決しようという動きが出ていますが、歯科業界を巡る厳しい状況を見る限り、改善はなかなか難しいようにも思えます。

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